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F Lab.

LIFE IS A PARTY

最速・確実に実用英語を鍛える勉強法と10の良書・教材:上級編(TOEIC900レベル)

勉強の羅針盤

Compass Study | Flickr

本記事は、以前書いた最速・確実に実用英語を鍛える勉強法と10の良書・教材 :中級編(TOEIC730レベル)- F Lab.の続編となります。各勉強法の基礎的な考え方については、そちらをぜひ参照してください。

 

ぼくはTOEICに特化した勉強をオススメしていない。なぜかというと、英語力そのものを高める(=実用英語を鍛える)勉強を続けた方が、圧倒的に速く、高いところまで能力を伸ばせるからだ。

TOEICに特化した勉強は、+αを上積みする効果がある。TOEICの出題パターンに対応して攻略することで、今持っている力に付け足して、背伸びするような形で点数を上げてくれる。しかし、背伸びで伸ばせる分は限られている。ある程度以上の点数をとりたければ、どこかで絶対に英語力そのものを伸ばさないといけない。

こうしたことを考えると、普段は実用英語を鍛える(=土壌改善)意識で勉強し、TOEIC対策(=化学肥料)は時期を見てパッとやるのが一番効果的なのだ。本記事ではこの作戦に沿って、TOEIC900点を目指すレベルの人が毎日の勉強としていかに実用英語を効率よく、しかも楽しく鍛えるかについて、具体的な教材を紹介しつつ解説する。

 

 

多読

英語力向上の全ての基礎は多読だ。

かつて英語教師だった夏目漱石に、次の言葉がある。

 

英語を修むる青年はある程度まで修めたら辞書を引かないで無茶苦茶に英書を沢山読むがよい。少し解らない節があって其処は飛ばして読んでいってもドシドシと読書していくと終いには解るようになる。又前後の関係でも了解せられる。其れでも解らないのは滅多に出ない文字である。要するに英語を学ぶ者は日本人がちょうど国語を学ぶような状態に自然的習慣によってやるがよい

 

漱石、タドキスト(多読推薦者)だったのだ。彼ほどの才人が勧めるやり方である。間違っているはずがない。

多読のやり方として有名なのは、次のもの。

 

  1. 辞書は引かない (引かなくてもわかる本を読む)
  2. 分からないところは飛ばして前へ進む (わかっているところをつなげて読む)
  3. つまらなくなったら止める (1 2 の原則で楽しく読めない本は読まない)

(SEG 多読三原則)

 

このように割りきってどんどん進めてしまうのが多読の正しいやり方。語学においては、物量作戦はかなり有効だ。「英語は壮大な慣れだ」と言われることもある。とにかく英語に触れることが上達の近道なのだ。

 

多読では、自分の英語力より少し簡単なものを選ぶことが大切だ。TOEIC900点を目指すレベルでは、かなり自分の英語力に自信が出来ているころだ。しかし、これは意外なことかもしれないが、TOEIC900点を目指すレベルというのは、はっきりいって普通のペーパーバックを読むには力不足だ。なのでこのレベルの人は、しっかりと自分の実力を把握し、それに見合った簡単な洋書を選ぶ必要がある。

多読の目的は、大量の英文に触れることによって英語のリズム・感覚に慣れること。なので、辞書を読まなくても楽しく読める中から本を選ぶことが大事になる。

以下では、TOEIC900点を目指す人が選ぶべき洋書を紹介する。

 

Someday Angeline

Someday Angeline Book

by Louis Sachar 

とんでもなく賢い8歳の少女、アンジェリンの物語。あまりに賢いため変人扱いされる。父親には過度の期待を受けるが、アンジェリンは父親の仕事(garbage collector:ゴミ収集車の人)を尊敬している。周囲との摩擦、分かり合える人との出会い。児童書のはずなのに、大人が読んでもとても悲しくも楽しく、幸せな生き方についてまで考えさせてくれる。短く簡潔でいて、奥深くかかれた良書。

Someday Angeline

 

Number the Stars

Number the Stars Book

by Lois Lowry 

友達のユダヤ人一家を国外に逃がそうとする、ナチス占領下のデンマークの少女の物語。大変な経験を通して、自分の役割や価値を学んでいく。英語は簡潔、でも目の前に広がる光景は豊か。分量もちょうどよく、ふつうのペーパーバックへの橋渡しとして最適。これに限らず、ニューベリー賞受賞作品は基本全部オススメ。

Number the Stars

 

ここで紹介した2冊のレベルを超えれば、ペーパーバックは大体読めるようになる。これら2冊の次のレベルとしては、Sydney SheldonJohn Grishamが定番。

 

 

発音練習

TOEIC900を目指すなら、発音は上級から仕上げの段階。最後の仕上げの高い山を登る道中、常に脇に置いておきたい良書を以下に紹介する。

 

Mastering the American Accent

by Lisa Mojsin

上級者のための発音教本。英語で書かれた発音教本の中で一番良くまとまっている。英語耳の次のレベルに行くための本。ぜひ読んでほしいのは4章より先で、「難しい子音」「アクセントについて」「強勢を置く語について」「イントネーションについて」など、TOEIC900前後で必ず学ばなければいけない発展的な内容がまとめられている。

Matering the American Accent

 

 

文法

TOEIC900を目指す場合、文法の学習は基本的には終わっているはずだ。この先は、細かなところの使い分け(aとtheや、shouldとhad betterなど)を、頼れる本を手元に置いてたびたび見返すことで磨きをかけていく。

 

日本人の英語

日本人の英語の表紙

著:マーク・ピーターセン

東大、京大、北大、広大の教師が新入生にオススメする100冊で5位に入るほどの名著。自分はこれを1回読んで売ってしまって、4年後にまた買っている…。ほんとうの名著は何度も読み返すので、できれば売らずにとっておきたい。

Clean out your desk!とClean off your desk!の比較からoutとoffの違いに迫ったり、例文はどれも適切に対比されていて、明晰でわかりやすく、本当に勉強になる。ネイティブ感覚を養ってくれる一冊。

日本人の英語

 

続・日本人の英語

続編も負けず劣らず素晴らしい名著。一般の虎を表す3種類の表現

A tiger is a dangerous animal.

The tiger is a dangerous animal.

Tigers are dangerous animals.

のそれぞれがもつフィーリングの違いなど、上級者が悩む部分が鮮やかかつ豊かに解説されている。値段に比して学べる内容が明らかに濃く、絶対に損しない一冊。

続・日本人の英語

 

Grammar in Use Intermediate

Grammar in Use Intermediate cover

by Raimond Murphy

前回の記事でも紹介したが、あまりに良い本なので再掲。

日本の英語教育では、ともすれば"be going to"といった形だけ教えて、意味は「未来」としか教えなかったりする。これではbe going toとwillの使い分けなど、分かるようになるはずがない。Grammar in Use Intermediateでは、そうした意味の似た文法要素の使い分けについて、極めて簡潔かつ適切に解説してくれて、対応する問題も豊富に載っている。

英語で書かれているので、解く行為自体が既に勉強になる。一石二鳥とはこのこと。一冊の本にしては高めの値段だが、これ一冊で5冊分以上の価値がある。

Grammar in Use Intermediate

 

 

単語

このレベルでは、使える単語帳が少なくなってくる。上級レベルの単語帳は需要が少ないため、単語帳界の激戦区であるTOEIC730レベルよりも選択肢が少なくなる。正直、英語業界にはこのレベルの単語帳でもっと良いものを出して欲しいと思っているのだが、以下ではそんな中でもまだ使える3冊を紹介する。

 

単語帳(和製)

キクタンsuperの表紙Advanced1100の表紙

説明不要の人気シリーズから2冊。上級レベルもしっかり手に入るのが嬉しい。自分がキクタン推しというだけなのかも知れないが、個人的にはシンプルに単語の勉強に集中できるキクタンの方がオススメ。Advanced 1100は記事のチョイスは面白くて良いのだけど、日本語訳がやや適当という感がある。ただ、単語帳は好みが大きいので、デザイン含め気に入った方を選ぶことをオススメする。

キクタンSuper Advanced 1100

 

Instant Word Power

Instant word powerの表紙

by Norman Lewis

読むタイプの単語帳。英語で書かれたメジャーな単語帳の中では一番易しい。ビリーズブートキャンプを思い出すほどのパッションと、しつこいまでの反復練習。日本の単語帳ではここまで(ある意味)親切な単語帳を見たことがないが、「単語帳ってこうあるべきだよなあ」と読んでて思わされる。古いことと、少し誤植がある(が、同じ単語が繰り返し出てくるので大した問題ではない)というデメリットもあるが、語源学習や、英語で英語を学ぶことの相乗効果など、メリットも大きい。日本の単語帳に飽きてきた人はぜひ試してみてほしい。

Instant Word Power

 

P-Study System

Windows、Android用の無料単語学習ソフトウェア。英検用には2級用、準1級用、1級用の問題が用意されている。キクタンレベルを超えたら、次はこのソフトを使うのが一番オススメ。間違えた問題だけを何度も出してくれるので、投げずにやれば絶対習得できる。

本を開くよりもパソコンの前に座っている方が楽な人には、特にオススメできる。

P-Study System

 

 

リスニング・スピーキング

このレベルまで到達すれば、日本語字幕付で映画や海外ドラマを見れば、英語でしゃべっていることがほとんど理解できるはず。なので、リスニング教材に困るということはあまりない。

おすすめの勉強法は以下の2つ。

 

Hulu

HuluでもYoutubeでも何でもいいのだけど、Huluは字幕のオプションが豊富で快適。自分の英語力の向上やそのコンテンツの英語の難易度に合わせて、

日本語字幕付→英語字幕付→字幕無し

の順番で無理の無いようにレベルアップしていけばいい。男性へのおすすめの海外ドラマはダントツでBreaking Bad。これを見てくれるのなら、もう英語とかどうでもいい笑 それくらいおすすめ。LOST、24、Prison Break、The Walking Dead、Under the Domeなどなど、その他途中でやめたものも入れればかなりの数のドラマを見てきたけど、どのドラマの10倍以上も面白い。そして本国の批評家の評価も極めて高い

洋画より海外ドラマの方がおすすめなのは、同じ舞台設定で、同じ人の英語を聞き続けることで、語彙や発音の面で蓄積ができてきてどんどん聞けるようになってくるから。 

残念ながら、女性へのオススメは自分には難しいが、自分の周りの女性はGLEE、Ugly Betty、Sex and the City、OCあたりが好きな人が多かった。

 

オンライン英会話

レアジョブが切り開いた、フィリピン人講師とSkypeで会話する格安英会話。いま参考書や問題集で時間をかけてしっかり勉強できているなら、月5000円を出してオンライン英会話に時間を割く価値は十分にある。やはり語学は実践が不可欠。25分くらいだけでも、会話するとその後まで頭のなかで英語が反響する。英語で夢を見たりもするようになる。やはり人にとって、人としゃべるというのは特別なこと。

特別に肩入れするつもりはないが、いまのところNative Campがおすすめ。他のオンライン英会話に多い、「1日1回まで」の縛りがないのがいい。人はみな生活していると、仕事で疲れてる日、飲み会の日もあれば、なんとなく暇を持て余す日もある。暇な日にガッとやれるシステムなので、投資分の回収がやりやすい。

ただし、あくまでインプットあってのアウトプットなので、インプットの絶対量が足りない人はまずはインプット(多読・単語)に力を入れること。

 

 


TOEIC900を目指すレベルとなると、英語学習について一家言もっている人も多いだろう。しかし、実は一番伸びが実感できず、周りからみた期待とのギャップも激しく、苦しい時期でもある。そうした人の助けとなれるよう、いま自分が持っている最大限の情報を放出した。参考になるところがあったなら、素直に嬉しい。

「10の良書・教材」という数はあくまでざっくり。今後新たな発見があり次第、随時書き足していく予定。情報等も随時募集してます。